都道府県や市町村の子育て担当部局が更に多忙になる児童福祉法改正への対応①

子育て支援・保育・幼児教育

こども家庭庁が「児童福祉法」の一部改正を検討中!

児童虐待の相談や対応件数は年々増加している状況から、子育てに困難を抱える世帯がこれまで以上に顕在化していることは明らかである。そのような現状の改善を図るため、これまで以上の子育て支援体制を整備することを目的として、こども家庭庁では、児童福祉法の一部を改正する法律の施行に向けた調整を行っている

児童福祉法に規定された事業やサービスについては、都道府県や市町村等の地方自治体の実施責務となることが前提となるため、今回の改正内容については、地方自治体のこども政策担当課や福祉事務所の職員はもちろんのこと、現在、行政からの補助金等で運営しているサービス提供事業者についても、その内容に注目しながら、改正法施行後の円滑な実施に努めなけれならない。

今回は、令和6年1月25日のこども家庭庁が作成した自治体向け説明会の資料を以下に紹介。この資料をはじめて見た現場の担当者はきっとため息をつくほどのボリュームだったかもしれない。改正点やスケジュール等が掲載されており、関係者はしっかりと把握の上で、質の高い子育て世帯支援サービスの提供のため、必要な準備に取り組んでほしい。

《国公表資料》児童福祉法等の一部を改正する法律の施行に向けた検討状況
令和6年1月25日 自治体向け説明会 こども家庭庁

https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/a7fbe548-4e9c-46b9-aa56-3534df4fb315/9629db7f/20240125_policies_jidougyakutai_Revised-Child-Welfare-Act_21.pdf

内容が盛りだくさんで子ども政策担当職員や法務担当職員はため息状態?残業増加を懸念。

資料に目を通してみると、現行の児童福祉法に規定されている内容への対応だけでも極めて大変な状態で、更に改正によりサービス内容の充実を図らなければならなくなることは明らかだと感じた。

特に今年春頃の改正法公布以降は、各地方自治体では条例の制定や改正に取り組む必要があり、子ども政策担当者だけではなく、総務系の法制担当者も各議会までに計画的に条例案を準備していかなければならない。とにかく、障がい、子育て、高齢者関連の福祉系サービスの法改正に伴う条例改正はかなり多く、特に子育て関係については、新設された「こども家庭庁」が所管しているものの既存の各法の改定に関与することからは、厚生労働省や文部科学省の所管する法律との整合性を図る必要があるため、作業事態が複雑になる可能性もある。

新設直後に他の主要2省の法令内容を熟知した上で改正作業を行っているこども家庭庁の担当職員はかなりの法務的な知識があるのだろうと、その優秀さに感心する。関係法との整合性を十分に図って、わかりやすく、かつ効果的な改正法案の策定をお願いしたい

更に、改正法案の周知や説明のためのガイドラインや事務手続きマニュアルの策定も、地方自治体の職員がミスすることのないようなわかりやすいものを作成することを期待している。

コメント